生成AIポリシー・ガイドライン・ガードレール
はじめに
本校はこれまで、豊かな人間性と確かな学力の育成に尽力してまいりました。しかし現在、AI技術の急速な発展により、「知識」そのものの価値観や社会のあり方が大きく変わろうとしています。ネットワーク環境が日常となった現代において、こうした変化から目を背けることは、将来的な教育格差や情報格差につながりかねません。滝学園ではこの事実を真摯に受け止め、知識の習得のみにとらわれず、次世代に不可欠な「倫理観」と「活用力」を育むことを新たな教育目標として掲げました。
安全な運用のための3つの枠組み
生徒・保護者の皆様、および教職員が安心・安全に教育活動を進められるよう、以下の3つの基準を策定し、運用の柱といたします。
- 生成AIポリシー:学校全体としての基本姿勢
- 生成AIガイドライン:具体的な利用ルールとマナー
- 生成AIガードレール(防護柵):安全性を担保するための技術的・制度的な仕組み
今後の運用について
これらの策定にあたっては、文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver. 2.0)」(令和6年12月12日付)など、国の最新方針を参考としています。 運用においては、生徒の「能動的な学び」を阻害しないよう最大限配慮するとともに、技術革新や社会情勢の変化に合わせて柔軟にルールの見直し・改善を行ってまいります。
1.生成AIポリシー(学びの到達目標)
本学の教育方針を踏まえて、AIを活用した「学びの到達目標」を以下のように見据えます。
生成AIポリシー
- AIが学習・統合した情報の中から、先人たちが築き上げた確かな学知を見極めて活用することで、自らも学びの針を進めるかけがえのない存在であることを認識し、人間らしい柔軟な知性と感性に磨きをかけて、自己実現を達成することができる。
- 確かな情報倫理を習得したうえで、主体性を持った一人の人間として、デジタルツールの中からAIを選択し、活用することができる。
2.生成AIガイドライン(活用方法の指針)
AIは人間が作った原理に基づいて作動するシステムです。AIが学習したデータの中には、誤った内容も含まれているため、AIの回答が常に正しいとは限りません。AIは非常に便利なツールですが、何が正しいのか、何が誤っているのかを判断する力がなければ、膨大な情報に振り回されてしまいます。一方で、活用の仕方によっては、私たちが知性や感性を拡げる機会となり、より高い創造性を身につけることにもつながります。このことを踏まえてAIガイドラインを定めます。
生成AIガイドライン
学びを実践する主体はあくまでも人である
「問い」を設定して「答え」を導き出すのは、あくまでも人間の役割であることを忘れてはならない。「問い」の中には、すぐには「答え」が出ないものもある。しかし、そうした「問い」に向き合う姿勢こそが、人間を成長させてきた。あくまでも「学び」を実践する主体は人間であり、AIは「学びを支える道具」にすぎないことを充分に理解したうえで、AIを活用する。
自分の知性・感性に落とし込む姿勢をもつ
AIが出力する内容には、「他者のバイアス・思い込み 」や「事実と異なる事柄」が含まれている可能性があり、吟味して検証する姿勢が求められる。時として、あえて疑うことも必要だ。よって、AIが出力した内容を、自分の主張としてそのまま使用してはならない。必ず自分の知性・感性に落とし込んでから、自分のことばで表現する姿勢が必要である。
確かな倫理観を身につける
AIを活用して何かを表現する場合には、自分のアイデア(創作物)なのか、AIが生成したものなのか、区別する必要がある。AIを活用して導き出した内容については、必要に応じてAIサービスの名称・用途・活用範囲・利用時期を明記するものとする。
また、利用方法を誤ると、他人を傷つけてしまうこともある。情報の発信には社会的な責任が伴うことを充分に理解して、 AIを「学びを支える道具」として適切に活用する。例えば、誹謗中傷や差別につながる生成や、他者の権利を侵害する恐れのある生成、個人情報や機密情報を入力してはならない。
3.生成AIガードレール(安全配慮・倫理的配慮・教育的配慮)
AIを教育現場で活用するにあたり、生徒の皆さんが安心して活用できるように、3つの観点でガードレール(配慮事項)を設定します。
生成AIガードレール
(1)安全配慮
・不適切な利用(反社会的・非社会的等)を防ぐため、学校がAIを提供する場合は、フィルター機能の付いたAIサービスを提供する。
・学校がウェブサービスのアカウント(Google Workspaceなど)を貸与した場合、優先的に利用させ、正しく管理する。
・学校でAIを使う際は、必ず教員の指導を受けてから利用をさせる。
・利用するAIサービスの利用規約や年齢制限を守らせる。
・生徒にプロンプトや出力のログ(履歴)を 30 日程度保存させ、必要に応じて是正を促せる環境を整備する。
・健康面(長時間利用による疲労・依存)に注意する。
(2)倫理的配慮
・誹謗中傷や差別につながる生成、著作権の侵害につながる生成をさせない。
・個人情報(氏名・住所・アカウント情報等)や、機密情報(他人に知られたくない秘密等)の入力をさせない。
・AIが出力した内容を、無加工・無批判に利用することをさせない。
・自分の考えとAIが生成したものを区別させる。
・利用したサービス名や用途などを明記させる。
・AIの答えを鵜呑みにせず、自分で正しさを確認する。
(3)教育的配慮
・「学び」を実践する主体は人間であり、AIは「学びを支える道具」にすぎないことを充分に説明する。
・情報の発信は社会的な責任が伴うことを念頭に、倫理的配慮に関する説明を充分に行う。
・やみくもに利用するのではなく、活用の意図と活用の成果を記録・共有することで、活用法の改善を促す。
・教員が「AIを活用することで本来の学習成果を妨げる恐れがある」と判断する場合は生徒のAI利用を制限する。
・生成AIを、学びを支える補助的な道具として活用し、過度に依存せず自分の考えや判断を大切にさせる。